ボクとムシキング。
こんにちは、なおすけです。
みなさん、ムシキングって覚えてますか?
セガが誇る大ヒットアーケードゲームで、主にカブトムシやクワガタムシを操って戦うゲームです。操るといっても、格ゲーみたいに虫を動かすわけではなく、手元にあるグー・チョキ・パーのボタンを押して技を発動させる、とてもシンプルなものです。
要はじゃんけんです。相手の手を読み、それに勝つ手を出すだけの簡単なゲーム。
そんな、なんのひねりもない子どもだましのようなゲームに、疑うことを知らないピュアな少年だった当時のボクは熱狂したものです。確か小学校3〜4年生くらいだったかと。地元のスーパーに置いてあるムシキングの台には、放課後をじゃんけんに捧げることに一切の迷いがない、甲虫王者の卵たちが常に行列を作っていました。
今となっては、なぜあんなものに享楽を感じていたのか不思議でなりません。しかし、子どもというのはそんなものです。どの時代においても、新しく、珍しいものには心惹かれます。まだ狭い世界に生きている子どもともなればなおさらです。
そんな一時代を築き上げた画期的なエンターテインメントも、新興勢力の台頭により廃れ、忘れ去られてしまいます。
それでも、当時の熱狂ぶりが多くの大人たちの記憶に刻まれていることは間違いありません。
今朝、その記憶が呼び覚まされました。
◆新・甲虫王者 ムシキング
懐かし〜。
今朝は炊飯器を買いに、ヤマダ電機へ行きました。無事炊飯器を買い、帰ろうとしたところ、見つけてしまいました。
多少リニューアルされていますが、ビジュアルや雰囲気は10年前とほとんど変わっていない気がします。
一瞬で10年前に戻らされたボクは、気づけば台の前に座り、財布を取り出していました。(注:22歳男性)
ゲームが終わるとムシキングのカードが貰え、次回以降そのカードをスキャンして遊ぶのですが、今回は初めて遊ぶので、キャラクターは自動で決められました。
よろしくな、サンホンヅノカブト!
対戦相手は、みるからに弱そうです。コクワガタなんて、田舎に住んでたら網戸にはりついてるからね。お前じゃ役不足だ。変われ。
そんな要望は聞き入れられるはずもなく、(無視キングとかってギャグはもう聞き飽きたと思うので、割愛。)強制的に対戦開始。
は?
いやいや、勝ち!!じゃねえよ、待て。
なんだこれ。
これ、なにがおもろいん?もしかして馬鹿にしてる?言われた通りにボタン押すだけで、こんなもんゲームでもなんでも……
……はっ!
…いや、あの、すいません。そんなつもりではありませんでした。ちょっと大人気なかったです。ごめんなさい。
難易度の低さに興が削がれ、10年前にタイムスリップしていた自分が一気に現代に呼び戻されてしまいました。
我に帰り、冷静な判断力を取り戻すと、そこにはアーケードゲームを楽しむ大人が。
「ここでやめたら負けだ!最後までやりきれ!」と必死で自分を鼓舞し、なんとか気を保ちました。
対戦が終わると、ムシ採りをさせてもらえました。なるほど、ここで捕まえたムシがカードになって出てくるというわけか。
お、強そう。どうなんだろう。
ヘルクレスオオカブト。
いきなりカブトムシの王様を出してくるなよ、、、一発目でこれはありがたみないわ。
まとめ
10年以上も前に流行ったムシキング。それが今もほぼ同じ形で残っていることに感動を覚えました。と同時に、自分が大人になってしまったことへの寂しさも感じました。
子どもから大人になるにつれて、虫は触れなくなり、じゃんけんは心の探り合いになり、カードはクレジットになります。そして無邪気で無敵だった少年は、知識を得れば得るほど、既存のものがつまらなく感じてしまいます。それを受け入れながら人は大人になるんですね。
しかしその気になればいつでも子どもに戻ることは可能です。今回のボクのように、ふとしたことがきっかけで、男は少年に 女は少女に 一瞬で戻ることができると思います。
これから先、悩んだり苦しんだりすることがたくさんあると思います。そんなときは一度、純粋だったあの頃に戻るために、ムシキングで遊んでみるのも悪くないかもしれません。